【解説】ゲイとは?LGBTって?同性愛者のイメージや世間の誤解

一昔前と比べると、社会全体がLGBTについての知識を深め、個性を認め合える世界へと成長しているように見えます。

とはいえ、議員の不用意な発言など、まだまだセクシュアリティや性別への偏見や誤解があるのも事実。

また、何となく分かってはいるものの、基本的な用語の意味などをきちんと把握できていないという方もいらっしゃるでしょう。

そこで今回は、ゲイやレズビアン、バイセクシャルなど性的マイノリティ関連の用語や基礎知識を解説したいと思います。

 

知らないから何となく誤解したイメージのまま、というのはとても残念なこと。

とくにこれからは個人の生き方がより尊重される多様化の時代ですから、ぜひポジティブに知識の幅を広げてください。

知らなかったことを知ることは世界が広がり、人生がより有意義になりますよ。

 

この記事で分かること

1.ゲイについての世間の認識

2.その他LGBTについての世間の認識

3.ゲイやLGBTに存在する誤解

この記事を読むのに必要な時間は約 18 分です。

 

 

1.【前提】性自認と性的指向とは?ゲイの意味を理解するために必須の知識

まずはじめに、性別というのは自分自身が自分のことをどう思っているかが判断基準となります。

ですから、第三者から分類されたり間違った性別を名乗るのは本来あってはいけないこと、個人の尊厳を傷つけられることと言えます。

単純に、自分がどの性かと考えたとき思い浮かぶのが答えでいいのです。

ただし、たとえばパートナーを探したいときなど他人に自分の性を名乗る必要が出てきます。

そんなときにクリアに自分の性をわかっているとスムーズ。

もちろん名乗る人だけでなく名乗られた人もきちんと言葉の意味を理解できる社会が理想的です。

 

では、ゲイとはどんなタイプを指すのでしょうか。

改めて問われると答えられないという方も多いのではないでしょうか。

回答

「ゲイとは性自認が男性で性的指向が男性の方」

ちなみに「性自認が女性で性的指向が女性の方」をレズビアンと呼びます。

少し前までセクシャルマイノリティの方々には偏見もありましたが、現在では、戸籍上つまり身体的な性ではなく、自認している性でイキイキと快適に生きられるようにと少しずつ理解が広まっています。

もっと理解を深め、誰もが個性のまま生きられる世の中であるために、私たちが性について考えるときに知っておきたいのが「身体的性(生物学的性)」「性自認」「性的指向」という3つの概念です。

 

身体的性(生物学的性)

遺伝子情報や染色体などから判断される性で、赤ちゃんが生まれたときにお医者さんに告げられる性というとわかりやすいでしょうか。

身体的性(生物学的性)には、男性、女性があります。

また中性(インターセックス)と呼ばれるどちらとも判断できない場合もあります。

 

性自認

性自認とは、「自分の性をどう認識しているか」を示す言葉です。

自分が男性と認識している人は「性自認が男性」、自分が女性と認識している人は「性自認が女性」ということです。

性自認と身体的な性は必ず一致するとは限らず、一致する人をシスジェンダー、一致しない人をトランスジェンダー(トランスセクシャル・性同一性障害)と呼びます。

また、「どちらかわからない」「どちらとも言えない」というケースもあります。

 

性的指向

性的指向というのは、「好きになる相手、つまり恋愛対象はどんな性か」を示すものです。

たとえば男性を好きになる人は「性的指向が男性」、逆に、女性を好きになる人は「性的指向が女性」ということになります。

性的指向には、下記のようなものがあります。

 

さまざまな性的指向

バイセクシャル:「性的指向が両性」で、男性女性どちらも好きになる人

へトロセクシャル:男性から女性、女性から男性といった風に、異性を恋愛対象と思う

ホモセクシャル:男性から男性、女性から女性という風に同性を恋愛対象と思う人

パンセクシャル:相手の性に関わらずどんな性も恋愛対象になる人

アセクシュアル:相手の性に関わらず誰も恋愛対象にならない人

ノンセクシュアル:相手を恋愛対象に感じるけれど性欲のない人

 

性表現について

上記の「身体的性(生物学的性)」「性自認」「性的指向」に加えて、もう一つ覚えておきたいのが「性表現」という概念です。

簡単に言うと「性表現」とは、見た目の「女らしさ」「男らしさ」であり、自分の表現したい性を自発的にあらわすことです。

男らしさや女らしさというのは、時代や国、社会によって変化するものであり、性表現は言ってみれば社会的な性です。

また、性表現と性自認は必ずしも同じではありません。たとえば、有名タレントのマツコデラックスさんは性表現が女性ですが、性自認は男性で性的指向が男性のゲイだそうです。

 

2.ゲイやホモの意味理解して使っていますか?男性同性愛者の基礎知識

ゲイやホモといった言葉。

何となく聞いたことはある、何となく理解している、けれど、きちんと説明できるかと問われると自信がない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

では、男性同性愛者に関連する用語について解説したいと思います。用語を知ることで基礎知識が得られ視野が広がりますから、ぜひ理解を深めてください。

 

ホモセクシュアル

ホモセクシュアルとは、男性と男性、女性と女性という風に、同性に恋愛感情を抱く同性愛者を指します。

ギリシャ語で「同じ」と言う意味を持つ「homo-」と英語で「性」を意味する「sexual」を合わせた言葉です。

ホモセクシャルは本来、男性同性愛者であるゲイ、女性同性愛者であるレズビアンに関わらず同性愛者全般を指す言葉です。

ただし、日本では男性の同性愛者をホモセクシャルと呼ぶ傾向にあります。

また、ホモセクシャルを短縮した「ホモ」と言う言葉は日本でやや軽蔑の意味で使われてきた歴史があり、避けるべきです。

 

ゲイ

ゲイは海外では同性愛者全般を指します。

ただし日本では、前述のホモセクシャルが同性愛者全般、ゲイが男性同性愛者のことを指し、女性同性愛者レズビアンと区別されています。

海外の方とお話するときには誤解を招く恐れがありますので、注意深く言葉を選びましょう。

ゲイは英語の「陽気な」「派手な」を意味する「Gay」に由来します。

イギリスでは昔、派手に着飾っていた売春婦や男娼のことを「Gay」と呼んでおり、実はゲイには少なからず差別的な意味合いが込められています。そのため最近では、海外を中心にLGBTと言う呼び方が好まれる傾向にあります。

 

バイセクシュアル

バイセクシャルとは両性愛者を指します。

男性女性に関わらず、異性にも同性にも恋愛感情を抱く人のことで、英語で「2つ」を意味する「Bi-」に由来します。

ちなみに、バイセクシャルと似ているようで似ていない言葉として、パンセクシャルがあります。

英語で「すべて」を意味する「Pan- 」に由来する言葉で、前性愛者を指します。

バイセクシャルの恋愛対象は男女両性であり、対するパンセクシャルの恋愛対象はすべての性。

実は世の中の性には、男性と女性のほか中性などさまざまあり、アメリカのフェイスブックの性別欄には50種類以上の性別があるそうです。

 

オネエとオカマ

オネエやオカマは、一般的に身体的性(生物的性)が男性で性表現が女性の方を指す表現です。

ただし、オネエやオカマという言葉は明確に定義されていない俗語であり、メディアやタレントによるイメージが先行した言葉と言えるでしょう。

実は、「オカマ」は戦後まで「肛門」を意味する隠語で、女装する男娼を軽蔑して呼ぶ言葉でした。

そのため、「オカマ」と言う呼び方にはあまり良いイメージを持たない方も多いようです。

ただし、一時期、おすぎとピーコさんなどがオカマと呼ばれ大人気となったりしたことで、「オカマ」という言葉を肯定的に捉える人もいて、ゲイ当事者同士でも「オカマ」と言う単語の捉え方に違いがあるようです。

何かと議論の分かれる「オカマ」の代替用語としてテレビから派生したのが「オネエ」です。

「オネエ」と聞くと、性的表現が女性で、いわゆる「オネエ言葉」の耳障りがよいマツコデラックスさんやはるな愛さんなどを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

ただし「オカマ」と同じく何となくのイメージでしかなく、やや曖昧です。

 

セクシュアルマイノリティ

セクシャルマイノリティとは性的少数者のことで、何らかの理由で自身の性のあり方が少数派の方を指します。

セクシャルマイノリティには一般的に、同性愛者、両性愛者、トランスジェンダー(身体の性と心の性が一致しないこと)が含まれます。

ちなみに、性的少数者であるセクシュアルマイノリティに対して、多数者はシスジェンダーやヘテロセクシャルと呼ばれます。

シスジェンダーとは性自認と身体的性が一致している人で、ヘテロセクシャルとは性的指向が異性に向いている人を指します。

現在はセクシャルマイノリティも社会的に認められつつありますが、まだまだ、多数派であるシスジェンダー・プリビレッジ(シスジェンダーが生きやすい)な現状があり、私たちひとりひとりが知識を深め、理解する必要があります。

 

LGBT

LGBTとは、レズビアン(Lesbian)、ゲイ(Gay)、バイセクシュアル、(Bisexual)、トランスジェンダー(Transgender)の頭文字をとった言葉で、セクシュアルマイノリティの総称として使用されている言葉です。

LGBTという言葉が生まれた背景には、同性愛をはじめとする多様な性への理解のなさがあります。

セクシャルマイノリティの呼び方はこれまで少なからず軽蔑の意味が込められたものも多く、呼ばれて悲しい思いをする方も多かったのです。

そこで誕生したのがLGBT。

中立的な表現であり、性のアイデンティティをしっかりと肯定した言葉です。

ちなみに、LGBTの割合は約8.0%と言われており(株式会社 LGBT 総合研究所(博報堂DYグループ)調べ(2015)による)、現在、英語圏のほとんどの国のメディアではLGBTと言う単語を採択しています。

 

LGBTQ+

前述のLGBTという言葉が浸透するに伴い、一つ問題が出てきました。それは、セクシャルマイノリティはLGBT、つまり、レズビアン(Lesbian)、ゲイ(Gay)、バイセクシュアル、(Bisexual)、トランスジェンダー(Transgender)だけではないと言うことです。

せっかく少数派を肯定する良い表現なのに、そこからまたはみ出てしまう少数派が出てくるようではいけない、と生まれたのが、「LGBTQ+」という言葉です。

ちなみに、「LGBTQ+」の「Q」は「クエスチョニング」を意味し、自分の性別が分からない人や意図的に決めていないとされる人のことを指します。

 

3.【ゲイは女装する?性欲が強い?】ゲイについての世間のイメージと誤解

ゲイと聞くと何となく思い浮かべるイメージ、それはもしかしたら間違いかもしれません。

そのイメージはどこから来たものでしょうか。

実際にゲイの友人や知人、家族などがいるという方を除いて、あなたが持つゲイへのイメージは、テレビタレントやテレビドラマなどメディアの影響が大きいものではないでしょうか。

また、ひとくくりにゲイといっても色んな人がいます。

ゲイというのは、ただ男性を恋愛対象に思う男性のこと。

性格や個性は異性愛者と同じようにみんな違うのです。

 

オネエ=ゲイではない!オネエタレントのイメージに左右されるな!

日本では、いわゆるオネエタレントやメディアの影響が強く、ゲイと聞くと「女装している人」「物怖じせずにズバズバと発言する人」といったイメージが定着してしまっているようです。

ただし、オネエ=ゲイではありませんし、テレビなどで活躍するオネエタレントはセクシャルマイノリティのほんの一部です。

ゲイとは男性が男性に恋愛感情を抱く男性同性愛者のことを指しますが、性表現はまた別の話。

オネエタレントのように性表現が女性という方ばかりではありません。

ゲイだからと言って誰もが女装したり女性言葉を使う訳ではありませんので誤解しないでください。

 

「ゲイは物腰が柔らかい」などは全て偏見です

前述の「女装」もそうなのですが、ゲイには「性欲が強い」「物怖じせず発言する」「物腰が柔らかい」というイメージも定着しているようです。

でもこれらは全て間違い。

そもそも、ゲイつまり同性愛者だからと言って、一つの凝り固まった特徴に分類することではないのです。

同性愛者も異性愛者もまったく同じで、それぞれの人がそれぞれの性格を持っています。

違うのは同性を好きになるか、異性を好きになるか、ということだけ。みんな同じ人間です。

 

4.【ゲイの特徴】美意識が高い/ボディタッチが多い…これって本当?

ゲイは女性の友達が多く、紳士的で美意識の高い人が多いです。

というのも、男性が男性に恋愛感情を抱くゲイ。

女性に対して恋愛感情を抱かないため女性に下心のある下ネタを振ることがありません。

 

ボディタッチが多いと言うのも下心のあるイヤラシイ感じではなく、どちらかと言うと友達同士の親近感のわく印象です。

また、ゲイのなかにはカミングアウトできず人知れず悩んでいる方も多く、自分がゲイであることを隠したいため性的な会話を避ける方も多いです。

こうした理由から、女性からするとあからさまな下ネタをせず、また男女の付き合いに発展しないので友人として接しやすいと喜ばれる傾向にあります。

さらに、ゲイの恋愛対象は男性ですから、ライバルが女性の場合もあります。

少しでも相手に好かれたいと考え、美容に気をつかう方も多いです。

女性と同じように美容情報に詳しいため、話がはずみやはり女性の友達が多くなります。

 

ただし、これらの特徴はすべてのゲイの方に当てはまるわけではありません。

繰り返しになりますが、ゲイだからと言って一つの傾向にくくられる訳ではないのです。

 

5.【ゲイの悩み】同居を断わられる!?ゲイの悩み4パターン

少しずつ理解されはじめたセクシャルマイノリティやゲイ。

ですが、やはりまだまだ世間の風当たりが厳しい側面もあり、また少数派であるがゆえの悩みも多いのが事実です。

ではゲイの悩みについて詳しく見ていきたいと思います。

ゲイだからという理由で悩まなくてもいい社会になるのがベストですが。。

 

ゲイカップルで同居する前に不動産屋に断られる

ゲイカップルで同居する際、不動産屋の入居審査で断られるケースは少なくありません。

残念ながら、ゲイカップルに関して偏見を持っているオーナーも多く「ゲイカップルはマナーが悪いのではないか」等の理由で入居できないことがあります。

もちろんそんなことはありません。

ゲイカップルも異性愛カップルも同じ。愛し合うパートナーと楽しく幸せに暮らしたいだけなのです。

また、なんとか入居審査に合格し部屋を借りられた場合も、同じマンションの住人の反応が気になってビクビクと暮らすゲイカップルもいます。

まだまだゲイなどの同性愛者に対して理解がない人も多いため、ゲイであることを隠しながらの生活になってしまうことがあるからです。

 

出会いの場が少ない

少数派であるゲイ。

絶対数が少なく出会えるチャンスが少ないのが大きな悩みです。

そもそもゲイ自体少数派ですが、さらにゲイを公言している人はもっと少ないため、必然的にゲイ同士が出会うのは難しくなってしまいます。

ゲイの出会いについては後述しますので、よかったら参考にしてくださいね。

 

結婚ができない

世界的には同性結婚について認められつつある流れではありますが、日本では同性結婚はまだ認められていません。

日本では、憲法24条に「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立」とあり、違憲派と合憲派に分かれているのです。

このため、ゲイカップルは結婚せずに同棲のまま添い遂げるというケースが多いです。

しかし、直近でも同性婚を認める法案が提出されており、また、東京都渋谷区では同性カップルに結婚に準じた「パートナーシップ証明」を発行する条例が可決されるなど、世の中の流れは同性婚を認める向きになりつつあるのではないかと考えられます。

他方、結婚や戸籍制度に意義を唱える向きもあり、個人が個人としてより生きやすい多様化の時代が訪れようとしています。

 

親にカミングアウトしづらい

何より深刻で大きな影を落としている悩みが、親にゲイをカミングアウトできないということです。

ほぎゃあと生まれた時から自分を育ててくれた両親のことを思うと、なかなか話せないまま時間だけが過ぎていくということも。

とくに今現役世代の両親となると少し以前の考え方を持つ方も多く、ショックが大きいのではと悩んでしまう気持ちは痛いほどわかります。

せっかく素敵な人とゲイカップルになって将来を歩んでいこうと決めたものの、異性との結婚や孫の誕生を疑いなく信じている両親に相談やお相手の紹介をすることは到底できず、親に隠したままにしている方も多いのが現実です。

本当のことを打ち明けるべきか、優しい嘘をつきとおすべきなのか。

とてもナーバスな問題であり、どちらがいいのかはケースバイケースと言えるでしょう。

 

6.ゲイであることをカミングアウトしている芸能人

LGBTへの理解が少しずつ進むなか、有名人や芸能人のなかには自分がゲイであるということをカミングアウトする方も増えてきました。

有名人や芸能人の場合、自分の仕事や活動をするなかでカミングアウトする方がやりやすいということがあったり、また、セクシャルマイノリティへの理解をもっと深めるために自分の知名度を使おうと考える方もいらっしゃるようです。

私たちは、ただ興味本位ではなく、彼らの意思を尊重し、なぜ彼らがカミングアウトしたかについて思いを巡らせるといいのではないでしょうか。

また、だからと言って、普通に暮らしているゲイの方がみんなカミングアウトしなければならないというわけではありません。

 

マツコ・デラックス

今や飛ぶ鳥を落とす勢いのマツコ・デラックスさん。

歯に衣着せぬコメントと女装で大人気となりましたが、実は本業は編集者。

かつてゲイ雑誌の編集をしていて、自身でもゲイとカミングアウトしています。

中性のような性別を卓越した発言が心地よく、ついマツコ・デラックスさんの出演しているテレビ番組を見てしまうという方も多いのではないでしょうか。

 

橋口亮輔

日本映画優秀賞・最優秀脚本賞受賞の橋口亮輔さん。

「恋人たち」や「ぐるりのこと。」など話題作を次々と世に送り出している才能溢れる映画監督です。

自身でゲイとカミングアウトしており、「ハッシュ!」「渚のシンドバッド」などゲイをテーマとした映画も制作しています。

当事者だからこそ描ける世界観は一見の価値ありです。

 

タッドフジカワ

タッドフジカワは、2006年、15歳の時に全米オープン史上最年少出場を果たしたプロゴルファーです。

彼は自身のインスタグラムでゲイであることを公表しました。

「みんなに理解してほしい、受け入れてほしいとは思っていませんが、本当の自分を隠しているのが嫌だったのでカミングアウトを決意しました」と記しています。

 

ロバート・キャンベル

日本文学研究者であり東京大学名誉教授を務めるロバート・キャンベルさん。

テレビのコメンテーターとしてもおなじみです。

2018年に物議をかもした議員によるLGBTへの差別的な発言を批判する際に、自身がゲイであることを公表しました。

彼が本当にカミングアウトしたかったどうかは定かではありませんが、ゲイ当事者であることで不用意でデリカシーのない発言に一石を投じました。

私生活では、20年近く共に過ごしてきたパートナーと2017年にアメリカで結婚しています。

 

エルトン・ジョン

エルトン・ジョンさんは、自国イギリスにとどまらず世界的なトップアーティスト。

デビュー以来ヒット曲を生み出しています。一度ドイツ人女性と結婚と離婚をしていますが、のちに男性と再婚し自身が同性愛者であることをカミングアウトしました。

彼は結婚の際のインタビューで「自国で同性婚が合法化されたことを大変喜び、また誇りに思っている」というコメントを出し、素敵な結婚式を挙げました。

 

イアン・ソープ

オーストラリアの有名水泳選手であるイアン・ソープ。

2014年にテレビで自身がゲイであることを公表しました。

彼は自分がゲイである事実を長年認めることができず、世間にも隠してきました。

カミングアウトしたあと、あるインタビューで「他人の基準で正しいスポーツ選手とされる人物になろうとしていた、正直に話せるようになり今、落ち着いた気持ちである」と語っています。そして、これから人生を歩む若者に、自分のような辛い気持ちを感じない世界であるよう望んでいるとしました。

 

ティム・クック

世界トップメーカーであるAppleのCEO、ティム・クックさんは、2014年に自分がゲイであることを公表しました。

彼は、公表以前から、ゲイ差別禁止法案を支持するコラムを寄稿するなど、ゲイへの偏見をなくす運動に積極的に関わっていました。

彼は自身が同性愛者であることを神からの贈り物であり誇りに思っていると手記に綴っています。

同性愛者だからこそマイノリティの人々の困難を知ることができ、相手を思いやれるようになった、辛いこともあったが人生が豊かになり逆境を克服する自信を持てたそうです。

 

7.ゲイの恋愛は短命って本当?出会いアプリなども紹介!

異性愛にせよ同性愛にせよ、お相手を好きになる気持ちやパートナーと楽しく過ごしたい気持ちは一緒です。

そうはいってもゲイには異性愛の方と同じように出会えるチャンスがないのも事実。

そこで、ゲイが出会いやすいおすすめの方法を3つご紹介したいと思います。

あわせてゲイの恋愛傾向とちょっとした注意ポイントも解説したいと思います。

 

ゲイはここで出会う!ゲイ同士で出会う方法3選

異性愛カップルの場合、街を歩いていて素敵な方だなと一目惚れしたり、学校や職場などでパートナーと出会うことが多いのではないでしょうか。

ところが同性愛であるゲイの場合、いくら自分がいいなと思っても、お相手が同じ同性愛者である可能性は低く、また同性愛者かどうか確認するすべがありません。

では、ゲイはどうやってパートナーを見つけるとよいのでしょうか。

 

①マッチングアプリ

異性愛カップルの出会いにも大きな役割を果たしているマッチングアプリですが、実はゲイやLGBTの方にも支持されており、現在、ゲイ同士が出会う方法として最も多いのがマッチングアプリ経由だと言われています。

マッチングアプリにはとてもたくさんの種類があるのですが、なかでもゲイの方におすすめなのが次の3つです。

もっと多くのアプリを見たい方は下記からどうぞ。

LGBTと出会う方法は断然マッチングアプリ!?使う目的別で厳選!

2019年8月28日

 

【おすすめアプリ・その1】Match(マッチドットコム)

マッチ・ドットコム

おすすめポイント

①世界規模のアプリなので、ゲイにも使いやすい設計

②希望する相手の性別を選ぶことができる

③検索機能が充実している(宗教・髪型などもある)

Match(マッチドットコム)は、世界トップクラスのマッチングアプリです。

世界中に会員が1,500万人、そのうち日本国内の会員数180万人おり、なん25か国にユーザーがいます。

Match(マッチドットコム)はゲイだけに特化したアプリではないのですが、世界規模のマッチングアプリだけあって、ゲイをはじめとするLGBTの方にも利用しやすい設計となっています。

 

Match(マッチドットコム)では登録の際に、自分の性別だけでなく、希望する相手の性別を選ぶことができます。

ゲイなら…

「私は:男性」「相手は:男性」

を選べばOK。

レズビアンなら…

「私は:女性」「相手は:女性」

と選びます。

バイセクシャルの方も安心、その時々によりお相手の性別を変えることが可能です。

検索機能も充実しており、年齢や居住地だけでなく、人種や髪の色、宗教など細かく設定できますので、多様なパートナー選びが可能です。

 

また、Match(マッチドットコム)の基本料金は下記のとおり。

クレジットカード決済 アプリ決済
1か月 ¥3,980

バンドルプランなし

通常プランなし

¥5,000(バンドルプラン)

3か月 ¥2,793/月

¥3,267/月(バンドルプラン)

通常プランなし

¥3,600/月(バンドルプラン)

6か月 ¥2,467/月

¥2,700/月(バンドルプラン)

通常プランなし

¥3,133/月(バンドルプラン)

12か月 ¥1,750/月

¥2,200/月(バンドルプラン)

なし

*2019年8月現在のデータ

 

契約期間が長いほど割安になります。

ただしいくら安くなるからといって、はじめからあまり長期間契約してしまうのは考えもの。

Match(マッチドットコム)でお相手と出会えるまでの期間は平均3か月と言われており、あまり長く契約しても無駄になってしまう可能性があります。

なお、追加料金を支払うとバンドルプランといういわゆるオプション機能を使えるようになり、たとえば、自分が送ったメールを相手が開封したかどうか分かる機能などがついています。

 

【おすすめアプリ・その2】Bridge(ブリッジ)

おすすめポイント

①ゲイ専用のマッチングアプリ

②真剣な出会いを探している会員が多い

③運営体制がきちんとしている

Bridge(ブリッジ)は、ゲイ専用のマッチングアプリ です。

まだ比較的新しいサービスですが、すでに世界に22,000人のユーザーがいて、10,000組以上のカップルが成立しているそうです。

真剣な出会いを探している会員がほとんどで、登録の際に審査があります。

自己紹介や自分の情報をきちんと入力していないと審査に落ちるので、遊び目的や冷やかし半分のユーザーは入会することができません。

審査の目をかいくぐった悪質なユーザーがいても、運営側が常時パトロールして悪質ユーザーや不適切な投稿を排除しています。

 

Bridge(ブリッジ)の会員料金は下記のとおりです。

クレジットカード決済
1か月 ¥5,600円/月
3か月 ¥4,266円/月(一括:12,800円)
6か月 ¥3,466円/月(一括:20,800円)

*2019年8月現在のデータ

 

見出し【おすすめアプリ・その3】Dine
おすすめポイント

①恋愛対象を選択できるためゲイにも使いやすい

②最短距離でデートまでいける

Dine(ダイン)はゲイ専用のマッチングアプリではありませんが、お相手検索にて「男性」「女性」「男性と女性」の項目を選べますから、ゲイをはじめとするLGBTの方にも便利です。

Dine(ダイン)のコンセプトは「100通のメールよりも、1回のデートを」というもの。

実際にデートすることを考えたアプリで、自分が無料会員だったとしてもお相手が有料会員ならメッセージのやり取りをしてデートに漕ぎ着けることができます。

まず、登録されている「行きたいお店」を3つ登録し、いいなと思うお相手とのやり取りで、先ほど登録した「行きたいお店」の1つを選びます。

お相手から「いいね」が返ってくれば、すなわち「そのお店で会いましょう」ということで、スムーズにデートにつながるのという訳です。

ただし残念ながら登録されているお店のほとんどは首都圏や主要都市に限られますので、実質的に地方の方は出会えないアプリと言えるでしょう。

 

Dine(ダイン)の会員料金は下記のとおりです。

クレジットカード決済
1か月 ¥6,500円/月
3か月 ¥4,800円/月(一括14,400円)
6か月 ¥3,800円/月(一括22,800円)
12か月 ¥2,900円/月(一括34,800円)

*2019年8月現在のデータ

 

②掲示板

マッチングアプリより登録が簡単でお手軽なのが掲示板です。

思い立ったが吉日。スマホなどですぐに登録しお相手を探すことができるのがいいところでしょう。

ただし、登録が簡単ということは、悪質なユーザーが紛れこみやすいことも意味しますから、利用の際は注意することが大切です。

 

【おすすめ掲示板・その1】MENS Club(メンズクラブ)

国内最大級とも言われるゲイ専用掲示板「MENS Club(メンズクラブ)」。

ゲイ専用雑誌などメディアにも掲載され会員数をぐんぐん伸ばしています。

登録はとても簡単。

ニックネームやメルアドなどを入力するだけです。

なお、登録は無料で、その後メッセージのやり取りや写真の閲覧の際に料金が発生する仕組みです。

MENS Club(メンズクラブ)では、登録の際に年齢確認があり未成年を排除しています。

掲示板のなかには登録さえしなくてよいものもありますが、MENS Club(メンズクラブ)のように登録制なら、不特定多数の誰にでも見られてしまうことがなくあくまで会員同士の楽しみなので安心です。

 

【おすすめ掲示板・その2】MENS NET JAPAN(メンズネットジャパン)

MENS NET JAPAN(メンズネットジャパン)は、ゲイ専門サイトの元祖とも言われており、はじめて掲示板を使うゲイの方が多く集まっています。

パートナーを探したいと思ったらすぐにでもはじめられる手軽さが魅力でしょう。

というのもMENS NET JAPAN(メンズネットジャパン)は登録不要・料金無料のサイトなのです。

なお、MENS NET JAPAN(メンズネットジャパン)には、地域別掲示板やお悩み相談室、画像つき掲示板などのコンテンツがあり、なかでも地域別掲示板が便利です。

というのも、いくら出会いたいと思っても住んでいる地域があまりに遠いと現実的ではないからです。

 

【おすすめ掲示板・その3】ワクワクメール

2001年にスタートしたワクワクメール

会員数750万人以上の巨大出会い系サービスに成長しました。

というのも、登録の際の電話番号認証などセキュリティがしっかりしており、安心して利用できるからです。なお登録は無料。

メールをしたり受け取ったり、お相手のプロフィールを見たり、と何かアクションを起こすごとに決められたポイントを支払う仕組みです。

ワクワクメールはゲイやLGBTに特化したサービスではありませんが、ゲイ同士の出会いを指定することが可能です。

まず、会員ページの「掲示板」から「大人の掲示板」を選部と「男同士」という項目がありますので選んでください。

すると、自分のメッセージページに「男同士」の表示がされるようになります。

 

③ゲイバー

ゲイバーとは、名前のとおり、マスターやスタッフがゲイのお店のこと。

マスターやスタッフは女装しているお店もありますが、そうではないところもあります。

最近では、マスターやスタッフが女装しているお店を「ニューハーフのお店・女装バー」、女装していないお店を「ゲイバー」と呼ぶ傾向にあります。

また、ゲイのお客様だけ入店可能なところ、お客様はゲイでなくてもいいところなどの種類分けもされています。

とくにゲイのお客様だけを対象とするお店の場合、スタッフも客もその場にいる人すべてが自分と同じゲイ。

出会いを求める方にとって嬉しいシチュエーションです。

また、パートナーを探すのではないにしても、ゲイならではの悩みを打ち明けたり、ゲイ同士の友人を作ることができる社交場と言えるでしょう。

ゲイバーは一軒だけ存在するのではなく、何軒ものお店が近隣にあり一つの世界、集合体を形成していることも多いです。

日本では新宿二丁目が有名です。

地方にはゲイバーが少なく、地方に暮らすゲイの方々が出会いや交流を求めて都会に出てくることも多いです。

 

ゲイの恋愛

一概には言えませんが、ゲイ同士の恋愛は体の関係からはじまることも少なくありません。

そのため、実際にお付き合いがはじまると相違点が出てきてだんだんと心が離れていくことが多く、恋愛が短命で終わることも多いようです。

また、周囲に隠れてお付き合いするなどストレスが多いのも別れにつながってしまう大きな理由のひとつです。

なかには、世間体や親のためにカモフラージュとして自分がゲイであることを隠して女性と結婚し、ゲイの恋人と別れる人もいます。

 

ゲイの浮気

少数派であるゲイですから、晴れてゲイ同士のカップルになれる人はひとにぎりとも言えます。

人気のある人は取り合いですから、どうしても浮気の心配も出てきます。

そして、悲しいことにゲイは、相手の浮気を許してしまうことが多いです

というのも、今の日本ではゲイ同士の正式な結婚はできず、また、事実婚だとしても家族や周りの反対からできない現実もあり、自分たちの将来像を明るくイメージできないことがあるのだそう。

さらに、少数派であるがゆえ幼い頃から自分のアイデンティティを否定されがちで自己肯定感が低く、相手に浮気など裏切られても許してしまう方もいるようです。

 

ゲイとHIVについて

HIV患者のうち7割以上が男性同士での感染だと言われています。

その理由は、ゲイカップルのコンドーム使用率の低さにあります。

コンドームは避妊具として認識されているため、子供を授からないゲイ同士のセックスではコンドームをつけない人が多いのです。

ですが、コンドーム着用は避妊だけでなくHIVをはじめとする性病予防にもつながります。

病気の不安なくお相手と安心して関係を持ち続けるために、認識を改めコンドームの着用を徹底することが大切でしょう。

 

8.【質問NG】ゲイに聞いてはいけない3つの質問

ゲイをはじめとするLGBTの方は少数派であり、だからこそ偏見の目で見られたり辛い思いをすることがあります。

少数派であるということは、多数派の方と比べて数が少ないわけで、知人や友人として出会える可能性も低いです。

そのため、実際に出会うと興味本位で色々と聞きたくなる気持ちはわかります。

ですが、ゲイやLGBTだからといって多数派と何ら変わることはなく、みんな同じ人間です。

あまりに偏見に満ちた発言や、ゲイたちが辛い気持ちになるような質問はしないようにしてください。

 

どっちが男役でどっちが女役?

ゲイカップルには、男役や女役はありません。

そもそも男性と男性が純粋に愛し合っているだけなのです。

ゲイにとってはどちらも「彼氏」であるだけのこと。

「男役」とか「女役」なんて質問は、とてもデリカシーやセンスのないことですから、しないように注意しましょう。

 

トイレはどっちに入る?

ゲイは基本男性トイレに入ります。

同性愛も異性愛者も男性トイレか女性トイレのどちらかに入る、ただそれだけのことです。

ですから、こうしたナーバスな質問をすること自体デリカシーに欠けています。

ゲイの方は単純に、恋愛対象が同性である男性であるだけのことなのです。

 

俺のこと好きになるなよ?

ゲイの方だからといって、男性なら誰でもいいというわけではありません。

異性同士の恋愛と何も変わることなく好みや相性があります。

「俺のこと好きになるなよ」なんてゲイの方からすれば、ただ「自惚れすぎなやつ」であり、逆に「絶対に好きにならないイヤな人」に映ってしまうでしょう。

 

9.まとめ

少数派・性的マイノリティと言われているLGBTですが、ある調査によると世界中の人々の8%がLGBTに該当するそうです。

残念ながら、ゲイをはじめとするLGBTの方は差別されたり、誹謗中傷を浴びてきた歴史があり、そのため人知れず悩みカミングアウトすることなく偽りの性で人生を歩んでいる人も。

調査してみると実は思いのほか多くいらっしゃったというのもそうした理由によるものかも知れません。

最近では、LGBTへの理解を深めるためのイベントが開かれたり、東京都渋谷区では同性カップルに結婚に準じた「パートナーシップ証明」を発行する条例が可決するなど、セクシャルマイノリティへの認知度が加速度的に高まっています。

ですが、イベントや運動をしなければならないということはまだまだ一般的になっていないということ。

制度面で足りないことも山積みですし、何より私たちひとりひとりの認識も足りず、ゲイやLGBTだからというだけの理由で、いじめや偏見の的になってしまう事実も存在します。

 

知らないから偏見を持ったり、自分と違うからスルーするのではなく、知らないからこそ理解を深める、その人の個性をありのまま受け止める、そんな魅力的な社会をみんなで目指せるといいですね。

ゲイだから、LGBGだからといって、異性愛者と何も変わりません。

ただ愛する対象が同性か異性かというだけのこと。

逆に言えば、ただそれだけのことで自分を理解してもらえなかったり、受け入れてもらえなかったり。

時には自分で自分を認められず悲しい思いをしているかもしれません。

ゲイやLGBTに限らず、独身や既婚、子供がいるかいないか、肌の色や瞳の色がどうかなど、私たちはもしかしたらとてもちっぽけなことで人を判断し区別してしまっているのではないでしょうか。

仕事や生き方など、これまでには考えられなかった世界が広がっている多様化の時代、ひとりひとりが視野を広げ、少数派を受け入れることが求められているのではないでしょうか。

みんな人間、みんなかけがえのない大切な命。

ひとりひとりが生き生きとその生命をまっとうできるよう、同じ地球に生まれたもの同士、手を取り合える世の中にしていきましょう。

 

ライター名:Yukari.S